Representative Profile
池田 宣康
いけだ のりやす / Noriyasu Ikeda
代表取締役
経営者は孤独です。
日々の診療に追われながら、資金繰り、人事、事業の将来——
難しい判断を、ご自身で下さなければならない。
その羅針盤となるようなお手伝いがしたい。
25年間、この思いだけで医療経営の現場に立ち続けてきました。
Career
Publications
病医院の引き継ぎ方・終わらせ方が気になったら最初に読む本
日本法令
もう失敗しない!開業医に選ばれる価値提供型営業
株式会社医療経営Activities
25年の現場経験の中で、税理士、行政書士、開業コンサルタント、病院コンサルタント、M&A専門家など、各分野で本物の実力を持つ専門家との信頼関係を築いてきました。
経営者が課題を抱えた時、その課題に最も適した専門家を見極め、おつなぎする。そして紹介した後も、専門家の仕事を見守り、経営者の判断を支え続ける。
この「ワンストップ支援」が、多くの経営者から信頼をいただいている理由です。
厚生労働省をはじめとする行政機関の情報を日々読み解き、経営者が判断材料として使える形に整えてお届けしています。
診療報酬改定、医療法改正、地域医療構想——こうした政策の動きが自院の経営にどう影響するのかを、経営者の目線で翻訳することが私の仕事です。
Three Teachings
若い頃、私は師から三つの言葉を受け取りました。
医療業界に関わり始めた頃の私は、目の前の数字を作ることに追われていました。どう契約をいただくか、どう次につなげるか。そのことばかり考えていた私には、師が語る「理念」「哲学」「知恵」といった言葉を、身に染みて理解できるだけの現場経験がありませんでした。
その言葉の本質に少しずつ近づけるようになったのは、病院理事長の方々と向き合うようになってからです。
制度が変わる。病床の役割が変わる。医師・看護師を確保できない。医療経営を理解して相談に乗れる相手が、近くにいない。
答えの出にくい場面で理事長の話をうかがうたび、師の言葉は、医療経営を見るための軸になっていきました。
「経営は環境適応業だ。」
師が繰り返し口にしていた言葉です。
当初、私はこの言葉を、経営一般の原則として聞いていました。
規模の大きさや、過去の実績だけでは組織は守れない。環境の変化を読み違えれば、長く続いてきた組織であっても難しい局面に立たされる。そうしたことは、経営の世界で幾度となく起きてきました。
病院経営もまた、その外側にあるわけではない。
医療経営の現場に身を置くようになってから、私はこの言葉の重みを、年月を追うごとに感じるようになりました。
地域の人口動態、特に後期高齢者層の比率の変化は、その地域の医療需要そのものを変えてきました。病床区分の選択、機能や実績を重視する評価への移行。診療報酬も、医療機関に求める役割や実績を、これまで以上に反映する方向へ動いています。
こうした変化は、制度の話にとどまりません。理事長の方々との面談では、病床の使い方や人員体制の悩みとして、何度も表れていました。
患者さんやご家族の医療に対する向き合い方も変わってきました。
かつては、医師の判断にそのまま委ねる方も多くおられました。しかし団塊世代以降、またそのご家族の世代では、自分で情報を調べ、治療方針を比較し、セカンドオピニオンを求めることも珍しくなくなりました。
制度が変わる。地域の人口構造が変わる。患者さんやご家族の考え方が変わる。診療報酬の評価軸が変わる。医師・看護師の確保も難しくなる。
医療経営において、環境に適応し続けることは避けられません。
ただ、理事長の方々は、その必要性を十分に感じておられます。
難しいのは、変化を理解することそのものではありません。
その変化を前にして、自院をどちらへ進めるのかを決めることです。
病床機能を変えれば、収益構造が変わります。人員体制も変わります。職員の働き方も変わります。地域連携のあり方も変わります。患者さんや地域からの見え方も変わります。
病院という組織は、簡単には向きを変えられません。
組織が大きいほど、一つの方向転換には時間も負荷もかかります。
それでも、外部環境が変わり続ける以上、病院もまた、自院の役割を問い直し続けなければならないのだと思います。
理事長は、多くの助言を受けながらも、最後はご自身で決めなければなりません。医師として臨床への責任を持ちながら、経営者としての決断の重みも引き受けておられます。
その現実を、私は多くの理事長のそばで見てきました。
師の言葉は、変化に追われるための言葉ではありませんでした。
環境適応とは、ただ制度に合わせることではありません。地域に求められる役割を見極め、自院が何を変え、何を守るのかを考え続けることです。
「経営は環境適応業だ。」
医療経営の現場に身を置くほど、この言葉は、経営の本質そのものとして響くようになりました。
「理念を持て、哲学を持て。」
この言葉も、師から何度も聞きました。
駆け出しの頃の私には、理念や哲学と言われても、実感がありませんでした。目の前の数字を追うことに必死で、理念や哲学は、どこか立派な人が語るきれいな言葉のように感じていたのだと思います。
その後、理念とは何か。哲学とは何か。
本を読んで何度も調べました。
けれども、自分の中で明確な答えとして定まるものには、なかなか出会えませんでした。今でも、それを形式知として説明しきれるわけではありません。
ただ、25年の現場を通じて、これが理念・哲学なのではないかと感じるものはあります。
医師という仕事には、患者さんを守るという根本があります。
患者さんを守る。
その一点だけでも、医師という仕事には十分すぎるほどの理念があります。
そして病院理事長は、その先にある地域医療を守るという責任も背負っておられます。
地域医療を守るとは、患者さんを診続けることだけではありません。職員が働き続けられる場を守り、病院を次の世代へつなぎ、その地域に必要な医療を残していくことでもあります。
医師としての理念に加え、経営者としての理念も背負っておられる。
私は、そう感じています。
だからこそ、病院理事長と向き合う者にも、理念・哲学が必要なのだと思います。
ただ目の前の案件だけを見る。専門家を紹介する。自分の利益だけを考える。そうした姿勢では、理事長の重責には寄り添えません。
師が私に伝えたかったのは、おそらくこのことでした。
自分は何のためにこの仕事をしているのか。
その仕事に、社会性はあるのか。
理事長の立場に立ち、その重責を少しでも軽くするために、自分は何を持っていけるのか。
理念・哲学とは、飾りの言葉ではありません。
病院理事長と向き合う側が、自分自身に問い続けなければならない姿勢そのものです。
地域医療を守る。
その中には、患者さんを診続けることも、職員が働き続けられる場を守ることも、病院を次の世代へつなぐことも含まれています。
その根幹を背負っている理事長に向き合う以上、私自身もまた、自分の仕事の理念・哲学を持たなければならない。
師の言葉は、今ではそのように響いています。
「知恵とは、知識と知識を結びつけて、新しいものを生み出すことだ。」
師の言葉の中でも、今の仕事に最も深くつながっているものの一つです。
駆け出しの頃の私には、この言葉の意味がよく分かりませんでした。知識を増やすことと、知恵を持つことの違いも、はっきりとは理解できていなかったと思います。
いまは、知識そのものは以前よりも手に入りやすくなりました。制度の概要、税務の考え方、法務の論点、医療政策の方向性。AIの時代になり、情報に触れること自体はさらに容易になっています。
しかし、情報や知識が増えても、判断が楽になるわけではありません。むしろ情報が増えるほど、どの知識をどう結びつけ、自院の経営判断にどう生かすのかが問われるようになります。
病院経営では、税務、法務、医療制度、診療報酬、人事労務、地域事情など、複数の専門知識が絡み合います。それぞれに専門家がいて、それぞれの助言は、その立場では正しいものです。
けれども、理事長が経営判断をするために必要なのは、正しい意見を並べることだけではありません。
税務の知識と、医療制度の知識を結びつける。
法務の論点と、診療報酬の流れを結びつける。
人事労務の課題と、病床機能の方向性を結びつける。
そうして初めて、自院にとって何を優先し、どの順番で進めるべきかが見えてくることがあります。
知恵とは、知識の量だけではありません。
それぞれの専門知識を結びつけ、理事長が判断できる形に変えていく力です。そこから、単なる情報の寄せ集めではない、新しい見方や道筋が生まれるのだと思います。
そして知恵は、厳しい場面ほど問われます。
ただし、何もないところから突然わいてくるものではありません。知識があるからこそ、厳しい場面で知恵が出る。日頃から学び、現場で考え続け、複数の知識を結びつける訓練をしているからこそ、一つの道筋が見えてくるのだと思います。
知恵は、机上だけで身につくものではありません。
知識を学び、現場で試され、うまくいかない場面を乗り越える中で、少しずつ使えるものになっていくのだと思います。
税務申告や法務判断、人事労務の実務を担うのは、それぞれの専門家です。
ただ、25年の現場で理事長の話をうかがってきて感じるのは、専門知識は単独では経営判断にならないということです。税務の知識、法務の知識、医療制度の知識、診療報酬の流れ。それらを医療経営の現場感と結びつけて、理事長が判断できる形に整える。
その働きもまた、私が磨いていきたい知恵の一つなのだと思います。
師から学んだ「知恵」という力を、私はまだ磨き続けている途中です。
それでも、25年の現場で身につけてきたこの力をさらに磨いていくことで、理事長の経営判断に少しでも役立てるのではないか。
今は、そう考えています。
師から受け取った三つの言葉は、今では別々の教えではなく、一つにつながっています。
外部環境は、これからも変わり続けます。制度も、診療報酬も、地域の人口動態も、患者さんやご家族の考え方も変わっていく。その変化に適応できなければ、病院経営は厳しくなります。
しかし、変化に合わせることと、何でも変えてしまうことは違います。
理事長が長年守ってこられたのは、単なる病院経営ではありません。
地域医療そのものだったのだと思います。
その中には、患者さんを診続ける場、職員が働き続けられる場、病院の歴史、地域からの信頼が含まれています。
その根幹まで、変えてよいわけではありません。大切なのは、守るべきものを守るために、何を変えるのかを見極めることだと思います。
その判断は、最後は理事長ご自身がなさるしかありません。
だからこそ、理事長と向き合う側にも、理念・哲学が必要です。目の前の案件を進めるだけではなく、理事長の立場に立ち、その重責を少しでも軽くするために、自分は何を持っていけるのか。その問いを持ち続けなければならないと思っています。
そして、そのために必要なのが知恵です。
税務、法務、医療制度、診療報酬、人事労務、地域事情。
それぞれの知識を単独で終わらせず、医療経営の現場に合わせて結び直す。
そこから、理事長が判断するための新しい視点や道筋を生み出す。
師から学んだ知恵とは、私にとってそのような力です。
経営は、環境に適応し続けなければならない。
しかし、地域医療を守るという根幹は見失ってはならない。
その両方をつなぐものが、知恵である。
この三つの教えを、これからも自分の仕事の軸として磨き続けたいと思います。
理事長の決断を、私が代わることはできません。
けれども、その決断の前に、少しでも確かな判断材料を届けることはできる。
もう一人の目として。
医療経営の拠りどころとして。
それが、私がこの仕事で大切にしている姿勢です。
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